ウブド・テガルサリ(Tegal Sari Accommodation)で何度かひと月ほどの滞在をしてきました。周辺には美味しい料理を楽しめる店が揃っているのがなんといっても魅力です。
シニア世代となった今、体調などで毎日の食事選びができるかどうかも、課題となってきています。
しかし幸いなことに、そういう意味でも、テガルサリの近くにはコンディションに合わせて選べるレストランが数多くあるのです。
60代の夫婦として現地で実際に食べ歩きをした体験談をもとに、徒歩圏で利用できる飲食店やカフェの「本音レビュー」をお届けします。
メニュー内容や気さくな店員さんとのやりとり、2025年9月時点のリアルな価格(ルピア・日本円両方)をわかりやすくまとめました。
長期滞在で「今日はどこで食べよう?」と悩まないための参考になれば幸いです。
長期滞在で欠かせない、コンディションに合わせたレストラン選び
海外で長期滞在をする際、案外重要になるのが「毎日の食事をどこでとるか」ということです。
若い時は、毎日でもホテルのレストランで構わなかったのですが、60歳をすぎるころから、その日のコンディションで食事を選ばざるをえない日が多くなってきました。
もっとも多いのは「食欲がそれほどない」という時です。次は「部屋から出たくない」。一方で、「美味しいものをちゃんと食べたい」ということもあります。
私たち夫婦はウブドのテガルサリを拠点に長期滞在を重ねてきましたが、嬉しいことに、ここには、私たちの希望を叶えてくれる、「食」の選択肢が徒歩圏内にたくさんあります。

朝食|いち日のスタートをどう迎えるか
ホテル併設で安心|セメスタ(Semesta)



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テガルサリに併設されたレストラン。
卵料理+フルーツ+パン+ジュース、などのオーソドックスな”バリのホテル”の朝食です。とはいえフルーツもジュースも新鮮で、日本では滅多に出会えない美味しさ。
私はフレッシュジュースを毎日変えるのが楽しみ。夫はどんなに体調が悪くてもフルーツプレートを欠かしません。バリではトマトのソテーがよく出てきますが、セメスタのトマトは厚切りなのが気に入っています。
食欲のない日の朝は、ローカルメニューのお粥やナシゴレンもあって助かります。どの料理も、程よい量と優しい味付けでお腹にも負担がありません。
特別ではない暮らしの中の朝ごはんという感じと、顔馴染みになったスタッフの笑顔で始まる朝が捨てがたく、よく通いました。
最近のカフェではあまり見かけないバリ・コピ(バリのコーヒー)を飲めるのも、ここに通う理由のひとつ。
バリ・コピはコーヒーの粉をカップに入れお湯を注いだバリ独特のものですが、バリだからこそ美味しく飲める、でも日本で飲んだらちっとも美味しくないというコーヒー。でも私は、バリで飲むならどんなに美味しいコーヒーより、バリ・コピが一番と思っています。
朝食だけでなく終日営業。祭礼の日などは、若い観光客で夜遅くまで賑わっています。ニュピ前夜のオゴオゴ祭り終了後も、深夜にも関わらず多くの人が集っていました。

- おすすめ:卵料理セット、バリコーヒー
- 価格目安:Rp50,000~70,000(約500~700円)
健康志向の朝に|Suka Espresso



遠くからも観光客がバイクや’車でやってくる、評判のオーストラリアンカフェ。
色とりどりのくだものが目にも美味しいスムージーボールは、いち日の始まりに最適な元気の源です。美しく重ねられたパンケーキ、ソースが絶品のエッグベネディクト、何を頼んでも外れることがありません。
元気に目覚めた朝は、夫婦間で「スカに行こう」が合言葉。開店8時を過ぎると、続々と観光客が集まってくるので、少し早めにホテルを出て向かいます。着くと、スタッフが笑顔で迎えてくれ、にこやかにいつもの2階席に案内してくれます。
2階席から通りを眺めながら、彩り豊かな料理をいただく時間は、まるでリゾートに住んでいるかのような特別感です。
- おすすめ:スムージーボウル、エッグベネディクト
- 価格目安:Rp70,000~120,000(約700~1,200円)
部屋から出たくない朝に|Monsieur Spoon&COCO



外出したくない朝には、Monsieur Spoonでクロワッサンを、隣のCOCOスーパーでチーズや果物を購入。
大抵前日に買っておき、夫がクロワッサンサンドを作ってくれます。もちろんそのままでも美味しいのですが、ハムやチーズを挟むと立派なレストランの味に。
COCOには、種々のハム・チーズ、ヨーグルト、ジュース、牛乳、フルーツと朝食に欲しいものはなんでもあります。日本のスーパーより品揃えがよく、安価。ただしチーズは安くありません。
部屋のバルコニーで自分たちだけの朝食を楽しむと、時間がいつもよりゆっくり流れていくようです。ニュピ(静寂の日)など外出できない日も、COCOでのストックが大いに役立ちました。
-
Monsieur Spoon:クロワッサン Rp20,000~35,000(約200~350円)
- COCOスーパー:果物・ヨーグルト Rp10,000~50,000(約100~500円)
昼食|観光の合間に気軽に
野菜が恋しくなったら|Taco Casa


メキシカン料理は意外と日本人の口に合う料理です。食欲がない日、味付けが優しいタコカサで、野菜たっぷりのタコスやケサディーヤは嬉しい限り。旅行中に不足しがちな野菜をしっかり摂れます。
カウンター席がお気に入りで、通りの賑わいをながめながら、冷たいビールと一緒にゆっくり食事するのは、暑いバリで最高の過ごし方でした。
ガルンガンの時期は、バロンを引き連れた子どもたちが近寄ってきて、一生懸命太鼓を鳴らして注意を引いてくることも。カウンター越しにお布施をすると、はにかんだ笑顔を返してくれたことを思い出します。
- おすすめ:タコス、ケサディーヤ
- 価格目安:Rp35,000~80,000(約350~800円)
地元の味を部屋でゆっくり|パセダン(Warung Pasekan)


パセダンは地元の人たちにも人気のナシチャンプルのワルン。ここはホテルから徒歩10分ほど。辛さやトッピングも調節してくれるので、観光客にも食べやすくなっています。
持ち帰りは、「ブンスク(持ち帰り)」というと、器用に紙に包みビニール袋にいれて渡してくれます。つくねをレモングラスの茎に巻いた「サテリリ」が香ばしくて美味しいので、必ず入れてもらいます。
観光客には、「辛いのは大丈夫?」と聞いてくれ、サンバルの量を調節してくれるので、辛いのが苦手な人も安心。
夫がよく買いに行ってくれるのですが、「顔を覚えてくれて、サンバルは少なめねって言ってくれたよ」と喜んでいました。
- おすすめ:ナシチャンプル(おかず組み合わせ自由)
- 価格目安:Rp15,000~25,000(約150~250円)
食欲がなく軽めに済ませたい時に|MEGUNA



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テガルサリが運営する小さなレストラン。徒歩2分。洋品店といっしょになったようなちょっと不思議なお店です。食欲がない日や夜食代わりにも利用できる、長期滞在者にはありがたい存在。
一品の量が少なく、目の前に料理が並んでも、これなら食べられるという感じがなかなか得難く、よくいきました。もちろんどれも美味しく、お腹に負担にならない味です。
階段がちょっと急で滅多に行かないのですが、3階の屋上からの眺めは素晴らしかったです。
ベトナム風フォーや春巻きなど。
- おすすめ:フォー、揚げ春巻き
- 価格目安:Rp40,000~60,000(約400~600円)
夕食|その日の気分で
近場で確実に美味しい|IBU SUSU Bar & Kitchen

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テガルサリの目の前。雨の日も傘がいらないくらいなので、遠出しないで美味しいものを食べたい時に、必ず頭に浮かぶレストラン。
そばやご飯を使った、アジアンテイストな味がホッとさせてくれます。何を頼んでも間違いがないので、周りの席の美味しそうなものを注文したりして、楽しめるお店です。
スタッフが皆元気でフレンドリーなので、それだけで、気持ちが明るくなり食も進む嬉しいお店でもあります。
アルコールが入っていないモックテールが美味しく、女性に人気。カクテルがお得に飲めるカクテルアワーになると女性だけのグループをよく見かけます。

一皿が軽く、量の調整ができるのも、嬉しいお店です。
- おすすめ:アジアンプレート、麺料理
- 価格目安:Rp60,000~100,000(約600~1,000円)
しっかり食べたい夜に|TWIST



お腹がすいた!という時にピッタリなレストラン。しっかりとした味付けで、付け合わせのライスが美味しく食べられます。カレーやバーガーなど馴染みの味に安心感があります。
隣の席の人と自然に会話が生まれる不思議な空気があり、旅の出会いも楽しめました。
一度、カナダから来たという老夫婦と隣同士となり、おしゃべりに花が咲いたことがありました。翌日は散歩の途中ですれ違い、しばらく経って、このTWISTで再会。お互いに旧知の仲のように笑いあったことがあります。
- おすすめ:カレー、バーガー
- 価格目安:Rp70,000~120,000(約700~1,200円)
食べ慣れたイタリアンで気取らず|Mamma Mia


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軽い食事を気取らずにしたくなったとき、まず候補に上がるお店です。食欲がないときも、マンマミーヤだったら行こうかなと思える、長期滞在の強い味方。
ピザ釜があり、本格的ピザが食べられます。嬉しいのは、大すぎないところ。2人でシェアするとちょっとモノ足らないくらいの大きさで、他の料理も食べられるのが嬉しい!
ここで食べる定番は、チーズたっぷりのクワトロと、スライスチーズがのったルッコラサラダ。お店の人に「ピザに乗せてきて」とお願いすると、一皿の特別メニューになって出てくることも。新鮮なルッコラが美味しく、いくらでも食べられます。
フルーツがたくさん入ったサングリアはたっぷりな量で、おすすめです。
- おすすめ:クワトロフォルマッジ、ルッコラサラダ、サングリア
- 価格目安:Rp90,000~150,000(約900~1,500円)
記念日にロマンティックな夜を|Who’s Who

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少し奥まった場所にある隠れ家的レストラン。夜はキャンドルが灯り、ロマンティックな雰囲気に包まれます。観光地の喧騒から離れ、静かに食事と会話を楽しみたい夜に最適な場所です。
素材の持ち味を生かした料理と、料理に合わせて選べるワイン。盛り付けも美しく、特別な夜にふさわしい一皿一皿が運ばれてきます。
私たち夫婦も、結婚記念日や誕生日に訪れました。テーブルに並んだワインと料理を前に、普段とは違う「ちょっと背伸びした夜」を過ごせました。
- おすすめ:コース料理、ワイン
- 価格目安:Rp150,000~300,000(約1,500~3,000円)
まとめ|「選べる」ことが心地よい滞在をつくる
シニア世代になると、旅先でなくとも毎日しっかりした食事をとることは、意外と負担が大きいものです。
徒歩圏にその日のコンディションに応じて選べる店が揃っている、これもテガルサリに長期に滞在できる理由になっています。
ウブド中心部の喧騒から少し離れたテガルサリ周辺は、観光地でありながら暮らすように過ごせる環境が整っています。
美味しい食事と温かな交流が、滞在の思い出をより豊かなものにしてくれるはずです。


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