バリ・ウブドで犬に遭遇し、「噛まれるのでは」と怖い思いをしたことはありませんか。
この記事では、ウブドでの長期滞在や散策を楽しみたい方に向けて、犬や猿との接触を避けるために私たちが気をつけていることと、狂犬病への備えをまとめました。
早朝の散歩をしていると、複数の犬に囲まれたり、後をついてこられたりすることがあります。モンキーフォレスト付近では、猿にいたずらをされることもあります。
バリ島は狂犬病の発生が報告されている地域です。犬や猿などに噛まれたり引っかかれたりした場合は、傷が小さくても放置せず、適切に対応することが大切です。
この記事を読むと、
- 犬や猿に出会ったとき、私たちが気をつけていること
- どのような接触に注意が必要なのか
- 噛まれたり引っかかれたりした直後にすること
- 狂犬病の症状や予防接種について
がわかります。
なぜ、バリでは狂犬病に気をつけなければならないのか
日本では「犬に噛まれた=即狂犬病の心配」とはなりませんが、バリ島では現在も狂犬病の発生が報告されています。噛まれたときには狂犬病を考慮した対応が必要になります。
日本では、動物検疫や犬の登録・予防接種などによって長年にわたり狂犬病の発生が抑えられている国のひとつです。一方バリ島は、2008年に犬を通じてウイルスが持ち込まれ、そこから流行が始まりました。
私たちがウブドを歩くとき、必要以上に犬を怖がっているわけではありません。ただ、「噛まれたり引っかかれたりしないこと」と「もし接触したらすぐ対応すること」は意識しています。
犬や猿に出会いやすい場所と時間
私たちの経験では、次のような場面で犬や猿に出会うことが多いです。
- 路上や、民家のある脇道
- 寺院の周辺
- モンキーフォレストなど、猿がいる観光スポット
ウブド中心部では、ハノマン通りで犬をよく見かけます。時間帯では、昼間よりも早朝や夕方以降に犬を見かけることが多いと感じています。
長期滞在中は朝の涼しい時間に散歩することが多いので、私たちにとっては特に早朝が注意する時間帯です。
犬に出会ったとき、私たちがしていること
犬に出会ったときは、「近づかない・目を合わせすぎない・走らない」ようにしています。
犬によっては、自分の縄張りから出ていくまで後ろをついてくることがあります。そんなときも急に走ったり、大きな声を出したりせず、落ち着いてゆっくり通り過ぎるようにしています。
これまでのところ、しばらくついてきても、縄張りから離れると戻っていくことがほとんどでした。
ただし、これはあくまで私たちの経験です。犬の様子がおかしい、威嚇している、複数の犬が近づいてくるなど、不安を感じる場合は無理に通らず、道を変えるようにしています。
猿には食べ物や持ち物を見せない
モンキーフォレスト周辺では、犬よりも猿への注意が必要になることがあります。私たちは、「食べ物やビニール袋を見せない、バッグを体から離さない」ようにしています。
猿は人の持ち物に興味を示すことがあり、頭に載せたサングラスなどを狙うこともあります。物を取られまいとして手を出したときに、噛まれたり引っかかれたりする可能性もあります。
猿が近づいてきた場合は、無理に触ったり追い払ったりせず、距離を取るようにしています。
「命に関わる狂犬病」について知っておきたいこと
狂犬病は、感染した動物の唾液に含まれるウイルスによって感染する病気です。犬などに噛まれるだけでなく、引っかき傷や、傷のある皮膚・目・口などの粘膜に唾液が触れた場合にも感染の可能性があります。
狂犬病はいったん症状が現れると、ほぼ確実に命に関わる病気です。発症を防ぐ鍵は、噛まれた後にできるだけ早く適切な処置(傷の洗浄とワクチン接種)を受けることです。
狂犬病はどんな症状が出る?
初期には、
- 発熱
- だるさ
- 頭痛
- 噛まれた場所の痛みやかゆみ
- ピリピリ、チクチクするような感覚
などが現れることがあります。
さらに進行すると、興奮や混乱、飲み込みにくさ、けいれん、麻痺などが起こり、水を飲もうとすると喉の筋肉がけいれんする「恐水症」がみられることもあります。
狂犬病は潜伏期間があるため、すぐに症状が出るとは限らない
狂犬病には、感染してから症状が現れるまでの「潜伏期間」があります。一般的には1〜3か月程度とされていますが、数日から1年以上に及ぶこともあります。
潜伏期間は、噛まれた場所や傷の深さ、ウイルスが体内に入った量などによって異なります。頭や首など脳に近い場所を噛まれた場合は、比較的早く発症する可能性があります。
そのため、噛まれた直後に症状がなくても、「大丈夫」とは判断できません。狂犬病は、症状が出てからではなく、接触した時点で対応することが重要です。
出血していなくても注意が必要
「血が出るほど噛まれたときだけ注意すればいい」と思いがちですが、そうではありません。
WHOでは、狂犬病の可能性がある動物との接触について、傷の程度などに応じた対応を示しています。
- 動物に触れた、餌を与えた、傷のない皮膚を舐められた場合
→ 傷のない皮膚への接触だけであれば、通常は狂犬病の曝露後予防は必要ないとされています。 - 出血のない軽い引っかき傷や擦り傷ができた場合
→ 傷口をよく洗い、速やかに狂犬病ワクチンを接種する必要があります。 - 皮膚を貫く噛み傷や引っかき傷ができた場合、傷のある皮膚や目・口などに唾液が触れた場合
→ 傷口をよく洗い、狂犬病ワクチンを接種します。さらに、予防接種歴などによっては狂犬病免疫グロブリンなどが必要になります。
つまり、「血が出ていないから大丈夫」とは限りません。
特に、犬や猿に引っかかれて皮膚に傷ができた場合は、出血していなくても「大丈夫」と自己判断しないことが大切です。
実際の処置は、傷の状態や接触した動物、これまでの狂犬病予防接種歴などによって異なります。
犬や猿に噛まれた・引っかかれたら
バリ島で犬や猫、猿などに噛まれたり、皮膚が傷つくほど引っかかれたりした場合は、傷が小さく見えてもそのままにしません。
WHOやFORTHでは、狂犬病の可能性がある動物に曝露した場合、傷口を石けんと大量の流水で最低15分間洗うことを勧めています。
私たちなら、次の順番で対応します。
- 傷口を石けんと流水で最低15分間よく洗う
- できるだけ早く医療機関を受診する
- 必要であればホテルのスタッフに事情を伝え、受診先や移動手段を相談する
動物が元気そうに見えても、「大丈夫だろう」と自分で判断して様子を見るのは避けます。
また、渡航前に狂犬病の予防接種を受けていた場合でも、噛まれたり引っかかれたりした後の処置や追加のワクチン接種が不要になるわけではありません。
【関連記事】動物との接触で狂犬病が気になったとき、受診する際の手順などをまとめた記事があります。
▶︎ 体調を崩したときの対応
バリ腹・デング熱についても、基本だけ知っておく
バリ旅行で気になる健康リスクとしては、狂犬病のほかにバリ腹とデング熱もあります。いずれも基本的な予防法や、症状が出たときの対応を知っておくことで、必要以上に不安にならずに備えられます。
それぞれ実体験に基づいて別の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。
▶︎ 夫婦そろってバリ腹に|実体験から考える予防と、症状が出たときの乗り切り方
▶︎ ウブドの蚊・デング熱対策|30年通ってわかった注意する場所と虫除けの使い分け
よくある質問
Q. 犬に触れてしまいましたが、噛まれても引っかかれてもいません。大丈夫ですか?
傷のない皮膚に触れただけであれば、通常は狂犬病の曝露後予防は必要ないとされています。ただし、手荒れや小さな傷があった、唾液が目や口に入ったなどの場合は判断が異なるため、心配な場合は医療機関に相談してください。
Q. モンキーフォレストなどで猿に注意することはありますか?
食べ物やビニール袋、光るものを見せない、頭上のものを触らせないようにしています。引っかかれたり噛まれたりした場合は、犬の場合と同じく傷口を洗ってすぐに医療機関へ相談してください。
Q. 狂犬病の予防接種は事前に打っておくべきですか?
必須ではありませんが、長期滞在や郊外を歩く機会が多い方は、渡航前にトラベルクリニックで相談することをおすすめします。接種していても、噛まれた際の受診は必要です。
Q. 噛まれてしまったら、日本に帰ってから病院に行けば大丈夫ですか?
狂犬病は発症すると治療が非常に難しいため、帰国を待たず、できるだけ早く現地で医療機関を受診することが重要です。
まとめ
犬や猿を見かけても、近づかず、走らず、が基本です。それでも万一噛まれたり引っかかれたりした場合は、傷の大小にかかわらず、まず石けんと流水で十分に洗い、すぐに医療機関へ相談することが何より大切だと感じています。
知識を持って、無理のない範囲で備えておくこと。それが、長くウブドと付き合っていくためのコツだと思っています。
免責事項
この記事は、私たち夫婦の体験と公的機関の情報をもとにまとめています。犬や猿などに噛まれたり引っかかれたりした際に必要な処置は、傷の状態や接触した動物、狂犬病予防接種歴などによって異なります。
犬や猿などに噛まれたり引っかかれたりした場合は、本記事だけで判断せず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
詳しい情報は、以下で確認できます。
厚生労働省検疫所「FORTH『狂犬病(ファクトシート)』」
バリ島特有の状況については「在デンパサール日本国総領事館『安全情報』」
執筆:じゃんぱらぎ夫婦(60代、ウブド滞在歴20年以上・長期滞在8回)

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