バリ・ウブドの中心、観光の大動脈ともいえるモンキーフォレスト通り。そこからわずか数十歩奥へ入ったところに「コマネカ・アット・モンキーフォレスト」があります。
バリの芸術に造詣が深いオーナーが「バリの芸術に囲まれながら、暮らすように旅をする」をコンセプトに始めた「コマネカグループ」の最初のホテルです。
喧騒がすっと遠ざかり、すっかり空気が変わます。足元に敷き詰められた石畳の感触と、ふんわりと香るプルメリアの甘い匂い。目の前に広がるのは、静けさと緑に包まれた別世界です。
ロビーで感じた癒しの始まり
初めて行った時の到着は深夜でしたが、2度目は午後早い時間。到着した私たち夫婦を迎えたのは、自然光が差し込むオープンエアのロビーと、スタッフのいつもの柔らかな笑顔。「お会いできて嬉しいです。」というひと言が、癒される旅の始まりになりました。
レセプションの奥に緑豊かな庭園とヴィラが点在。コンパクトながら、動線が良く、ライテラスも広がり、街中ながら自然を身近に感じられます。

モーター音や観光客の話し声が遠ざかり、耳に届くのは風が木々を揺らす音と、鳥のさえずりだけ。まるで都会の真ん中にあるオアシスに迷い込んだようでした。
モンキーフォレスト通りへの抜群のアクセス

抜群の立地は、観光とショッピングを見事に両立。ホテルを出てゆったり歩けば、15分ほどで猿たちの暮らすモンキーフォレストへ到着。
道中にはギャラリーや高級バティック店が点在。アクセサリーショップやエッセンシャルオイルショップ、手頃な土産物屋もたくさんあります。
つい入ってみたくなるカフェもあり、歩き疲れたらフレッシュなジュースで一休みできます。雨季のスコール時には、雨宿りで駆け込むのも意外と楽しいものです。バリには珍しいエアコン完備の「スターバックスも」近くです。
右方向に向かえば、さまざまなショップや地元民で賑わう市場、夜遅くまで営業するレストランが並びます。
あの自然派コスメで人気の「センセイシャ」や石鹸で有名な「KOU」が出しているジャム店、高級バティックの「Kamar Sutra Silk & Batik」などもありウインドショッピングだけでも楽しい通りです。
柔軟な動きが可能
日中の暑さに耐えきれず、散歩の途中でホテルに戻ってプールでひと泳ぎし、また出かける、また戻ってシャワーを浴びて近くのレストランへ、という贅沢な時間の使い方ができるのが何と言っても魅力です。
郊外のホテルでは決してできない、このホテルだからこそ叶うこの柔軟な動き。コマネカ・アット・モンキーフォレストを選ぶ大きな理由でもあります。
街歩き中にレストランの下見も
各国料理のレストランが徒歩圏内にたくさんあり、毎日の食事も色々楽しむことができます。レストランのレベルも様々で、お腹具合やお財布状況で、選択の幅が広がります。
何より街歩き途中で下見できるのが嬉しいポイント。大抵のレストランは通りに面してメニューが表示(写真入りも)されています。レストランのスタッフがにこやかに声をかけてくれ、いろいろ説明をしてくれます。

ウブドは食べることも楽しめる街なのです。実際に私たちはウブドグルメ地図を作って、いく前から何をたべようかとウキウキしています。年々レストランが増え、それを下調べする旅の前の時間も楽しんでいます。
嬉しいことに、地元料理から世界各国料理、ベーカリーまである老舗「Cafe Wayan」がすぐ近くです。ここでは毎週日曜の夜、地元料理にビュッフェがあり、とても楽しみでした。

滞在を心地よく豊かにしてくれた|客室、備品
どの客室もよく清掃され、整えられています。バスタブ、シャワーやトイレの清潔感も印象的でした 。オリジナルのアメニティーをはじめ、懐中電灯、香取線香など必要なものが過不足なく備えられています。ミネラルウォーターは毎日提供されます。
リネン類はバリにありがちなカビ臭さはいっさいなく、糊のききかたも程よく安眠の邪魔をしません。
モンキーフォレスト・スイート

私が初めて滞在したのがモンキーフォレストスイート。
このホテルのスタンダードルームですが、扉を開けると、天井まで届く木彫りのパネルが目に入り、ほのかなサンダルウッドの香りが漂い、まさに「スイートルーム」。
脚を伸ばせる深めのソファに腰かけると、奥の窓越しに中庭の緑が揺れ、木漏れ日が部屋いっぱいに広がっていました。
夜は天蓋のレース越しにランプの灯りがゆらぎ、旅先とは思えないほどゆったりとくつろげます。広々としたバスルームで、バスソルトを入れた湯に身を沈め、窓越しの庭を眺めながら疲れを流す──この解放感。 私がまた来たいと思う理由のひとつです。
ベランダのデイベッドで、南国の風に吹かれながら午睡するのも楽しい日課になりました。午睡をしても夜はぐっすり眠れるのは、バリ旅の不思議です。
他の部屋を見せていただいたのですが、バスタブのデザインがそれぞれ違っていて、位置も田んぼに面していたり、屋外だったり。直接予約すると部屋が選べるとのことで、何度訪れてもワクワクしそうでした。



プールビラ

二度目の滞在では、念願の「プールヴィラ」に。素晴らしい開放感とリッチさ。 部屋に足を踏み入れた瞬間、目の前に広がるプライベートプールと、その奥に広がる水田の風景に、えっこれが街中?と信じられない思いでした。
朝、まだ空が淡いブルーの頃に水面へ足を入れると、ひんやりとした水の感触に、ウブドでの1日の始まりを全身で感じることができます。
昼は強い日差しの下で水のきらめきが眩しく、夜になるとライトアップされた熱帯植物と水音が静かなBGMに。裸足でテラスを歩き、プールに身を任せる──そんな贅沢な時間が毎日続くのです。
荷造りの煩雑さから開封してくれた、上質なアメニティ
バスルームにはクシや綿棒、ボディーソープ、シャンプー、リンス、などの基本セットが充実。毎日何度もシャワーをあびますが、シャンプーやボディーソープなどはオリジナルの上品な香りで、そのたび癒されます。
上質なアメニティは、肌が荒れたり、髪がパサついたりということもなく、バリらしい自然由来のもののようでした。
シャンプーなどは使いつけのものでないと不安で、小分け容器にいれたり、スーツケースの中で漏れないようにしたり結構大変です。でも最初の経験から、2度目の滞在の時は持参せずに済み、荷造りが楽でした。
スリッパもチープなものではなく、バリ旅行には一応スリッパ持参の私も、ここでは備えつけのものを愛用。これは私の中で高いポイントになっています。
心の癒しになった|プール、ガーデン、スパ、美術館
メインプールは、周囲を緑に囲まれた静かな空間にあります。午後にはプールサイドで読書をするのが私の定番であり楽しみです。
プールバーで頼んだフレッシュジュースやビンタンビールを片手に、ページをめくるごとに時がゆっくり流れていく、バリでの王道の過ごし方をたっぷり味わいました。

ガーデンは手入れが行き届いていて、時折花々の香りがふと漂ってきます。朝の散歩中に咲きたてのプルメリアを見つけた時は、思わず写真を撮ってしまいました。早朝の鳥の声に混る箒で掃く音が、目覚めのBGのようになっています。

滞在中、ホテル内のスパを利用しました。トリートメントルームからは庭の景色が見え、施術中も外の自然音が耳に届きます。スパ内にはジャグジーもあり、街スパでは味わえないラグジュアリー感でした。

「バリニーズマッサージ」を受けましたが、アロマオイルの香りと熟練の手技で全身の緊張がすっとほどけていく至福のバリニーズマッサージでした。
アロマオイルも種類が多く、その日の体調などでスタッフと相談しながら選べます。施術後にはジンジャーティーが提供され、体の芯から温まり、マッサージ効果が倍加されるるようでした。
コマネカ アット モンキー フォレストに滞在して感じたのは、ホテル全体に漂うアートの気配。
壁に掛けられた絵画や木彫の装飾はどれも落ち着いた色調で、まるで美術館のなかににホテルがあるようでした。
実際に、ホテル敷地から入っていける美術館「コマネカ ファイン アート ギャラリー」があります。インドネシアの若手アーティストたちの作品が展示されています。
もともとオーナーのコマネカ氏自身がアートコレクターであり、ホテルづくりにも「芸術と暮らしを融合させたい」という想いが込められているのだとか。
私たちも午後のひとときに立ち寄りました。静かな空間に差し込む光の中で、鮮やかな絵画を眺めていると、旅の喧騒が遠のいていくようでした。
宿泊者なら自由に見学でき、展示は定期的に入れ替わるそうです。訪れるたびに違う作品に出会える——そんな“アートのある滞在”も、このホテルの魅力のひとつです。


幸せな時間をもたらす朝食とアフタヌーンティー
朝食はアラカルト形式で、ナシゴレンやミーゴレンのようなローカルフードから、オムレツやエッグベネディクトといった洋食まで幅広く選べます。
焼きたてのパンにはバリ産のハチミツや手作りジャムを添えて。日本で話題になるような美味しく美しいパンケーキを、ここでは毎日食べることができます。
スタッフに「今日のマンゴーはとても甘いですよ」と勧められ、期待に胸をはずませ口に運ぶと、想像以上の味の濃さと甘さで思わず目を見開き、スタッフに笑われました。
コマネカの朝は、こうして果物の香りやスタッフとの交流ともに始まります。


ローカルワルンとは一味違う香ばしいフライドライス・ナシゴレン。野菜のシャキシャキ感が抜群のスプリングロール(春巻き)いずれも程よい辛さの自家製のサンバルが添えられていました。

疲れたお腹のお助けメニュー、バリの粥「ソト・アヤム(soto ayam)」。コマネカのものはローカルワルンものとは違って、イエローライスで少しコッテリしています。とても美味しく何度も食べました。
でもローカルの「ソト・アヤム」が食べたい時はリクエストしてみてください。私の時は応えてくれました。お腹の調子が悪い時だったので、とても助かりました。

昼下がりのアフタヌーンティーではフルーツや自家製の菓子が共され、特に、なかなか食べられないバリのお菓子はいずれも甘さ控めです。私はこのバリのデザートが大好きで、これがあるだけでコマネカは私の中で高い得点になっています。


バリのお菓子は日本の餅菓子のようなもちもちしたものなどがあり、懐かしい味がします。バリ菓子らしくほのかにココナッツの風味がします。
ウブド市場や露店で売っていますが、お腹を壊さないかなと買う勇気がでません。きっとイブ(お母さん)の手作りで、見た目も綺麗だから、大丈夫なのでしょうが。これが買えたら、一皮向けたバリの旅人になれそうです。
ハプニングも心温まる思い出に
到着してすぐに雨が降り出しましたが、部屋には大きな傘が常備されていたので安心でした。2人で1本で十分なサイズで、雨の中でも街散策に出かけることができました。
ホテル周辺をウインドウショッピングするだけでも楽しく、傘をさして歩いた時間は、ウブドならではのスローな旅を実感できるひとときでした。雨上がりに漂う独特のバリの匂いは、帰国後も懐かしく思い出されます。
夜のベッドメーキングでは、天蓋付きベッドにベールが降ろされロマンティックな雰囲気が漂い、まるでお姫様気分。
タオルアートもスタッフよってデザインが違ったり、とても凝ったものもあり楽しみの一つでした。自慢げに作り方を教えてくれたりするスタッフもいて、温かな交流を感じられました。

バリ滞在で避けられないのが虫との出会い。ある夜、室内にゲジゲジ(ムカデの一種)が出現。夫が外へ逃がしてくれたのですが、これも「バリらしいリアルな体験」のひとつです。
他の宿では大量に虫が出た経験があり、その点では管理は良好と思いました。
虫に関しては、このクラス以上のホテルでは、ダニや蚊に悩まされることはほとんどなく、備え付けの蚊取り線香を使う必要もありませんでした。
滞在の終盤、私の誕生日がありました。特に伝えていなかったのに、ディナー後スタッフ全員が笑顔で現れ、バースデーソングを歌ってくれたのです。
テーブルには小さなケーキと手書きのメッセージカード。周囲のゲストまで笑顔で祝ってくれ、思いがけず特別な一夜になりました。
異国の地でこんな幸せな瞬間を迎えられるとは想像もしておらず、この温かなホスピタリティこそ、多くのリピーターを惹きつける理由だと感じました。
客室タイプと料金
客室は2タイプ全22室です。2025年4月時点でスイート&ヴィラの増築工事が行われており、2025年12月31日完成予定です。
全室に、全室Wi‑Fi無料、エアコン完備、ミニバー、無料のバリコーヒー・紅茶セット、バスローブ、セーフティボックスなどとともに、充実したアメニティが用意されています。
モンキーフォレスト スイート(Monkey Forest Suite)16室

- 広さ:約69㎡(一部の部屋は74㎡)16室
- メインプールが近く、1階または2階に位置。バルコニーやテラスからライステラスやトロピカルガーデンの眺望を楽しめます。
- キングベッド1台またはハリウッドツインに対応可、最大3名(大人2名+子供1名添い寝可)
- 独立型バスタブ、広々としたドレッシングルーム。
プールヴィラ(Pool Villa)6棟

- 広さ:約218㎡の独立ヴィラ(プライベートプランジプール付き)
- キングベッド(ツインへのリクエスト可能)、最大3名利用(大人2名+子供1名添い寝)、エキストラベッド対応
- ライスフィールドビューまたはジャングルビュー
2025年時点の客室料金
通常期
スイートルーム:Rp. 2,803,000(約24,000円台)
プールヴィラ:Rp. 4,333,000(約36,000円台)
ハイシーズン/ピーク期
(2025年7月1日~8月31日、12月24日~2026年1月6日)
スイートルーム:Rp. 3,440,000(約30,000円台)
プールヴィラ:Rp. 4,970,000(約40,000円台)
まとめ|コマネカ アット モンキーフォレストに泊まる理由
「気取らない贅沢」。コマネカ・アット・モンキーフォレストの最大の魅力です。ウブドのメーンストリート、モンキーフォレストとハノマンの間に広がるライステラスに囲まれ、ウブドの中心にありながら、一歩入るとそこには静寂と豊かな自然が広がります。
まるで自分の別荘に来たような心地よい時間が流れる。──ウブドでもそんな宿はそう多くありません。文化、食、自然をバランスよく楽しみたい方にとって、これ以上ない拠点になるでしょう。
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