シニア世代だからこそ選びたい上質なバティック
布好きの私は、バリ島を訪れ始めたころからろうけつ染めのバティックに魅了され、土産物店やホテルのショップで買い求めてきました。
ウブドに滞在するようになり、初めてバティックの専門店「Kamar Sutra」に訪れたとき、今まで買っていたものとは、布の質感も、落ち着いた色合い、柄の緻密さ、何もかもが違っていて驚きました。
以来、ウブドを訪れると、質の良いバティックを求めて、専門店を探して歩くことになったのです。
シニア世代になったからこそわかる、世代を超えて受け継げる価値、そして日常で使える実用性――バティックはまさに理想のお土産です。
今回は、実際に私たち夫婦がウブドで訪れたバティックの名店を巡りながら、体験談を交えて「シニアが選ぶ上質なお土産としてのバティック」の魅力をご紹介します。
ウブドでバティックを探す楽しみ
布に触れた瞬間に広がるしっとりした質感、深みのある色合い――年齢を重ねた今だからこそ、その美しさに心を動かされます。
お店ごとに品揃えが異なっているので、各店を巡る楽しみも大きいです。
IKATBATIK|繊細な手仕事に魅了される
モンキーフォレスト近くにある「IKATBATIK」は、手染めと織物の専門店。初めて足を踏み入れたとき、壁一面に飾られた布がまるで美術館の展示のようでした。
2階に行くと、さらにたくさんの布が、壁一面にかけられています。バティックで細かいパッチワークを施したものなどは、あまりの素晴らしさに、夫と二人でうっとりと見惚れてしまいました。
私が購入した一枚は、淡い藍色のテーブルランナー。帰国後、クッションカバーに仕立て愛用しています。少し大きめのモダンな柄のバティックは、壁掛けとしてかざると、部屋が一気にバリになったようでした。
Threads of Life Store|文化を守る布を選ぶ喜び
王宮の北、徒歩10分ほどのところにある「Threads of Life Store」はまるで布の博物館。インドネシア各地の伝統織物や染色を守る団体が運営しており、購入が地域や職人の支援につながる仕組みになっています。
スタッフの方が「これはスマトラの村で織られたものです」と、一枚ずつ丁寧に説明をしてくれたおかげで、布が単なる装飾品ではなく文化そのものだと改めて気付かされました。
布バッグ、ブラウス、カゴなどもあります。非常に手の込んだ織物にはいつも見入ってしまいます。
私はここでクッションカバーやカゴを購入。部屋のインテリアとして存在感を放っています。モダんなバティックのサロンは、その後のバリ旅行のお供になり、重宝しています。
Oka Kartini Studio 22k
ウブド王宮から、ラヤウブド通りを東に10分ほど行ったところにある、オカ・カルティニ・バンガローの敷地内にある”宝石箱”のようなギャラリーです。
伝統的なバティックが多彩に揃っていますが、どれも上質で高級です。10万円以上するものもあります。
お願いすると、気軽に、布を広げ産地や工法を丁寧に教えてくれるので、バティックの知識も深まり、私も夫も「買う」というより、「見せていただく」ために、ウブドに行くと必ず立ち寄ります。
グリンシンと呼ばれる高度な技術を要するダブルイカットや、アンティークや手工芸品、ラーマヤナ叙事詩をテーマにした人形、重厚なアクセサリーなどもあり、見るだけでも満足感いっぱいです。
Kamar Sutra Silk & Batik|贅沢なシルクと出会う
モンキーフォレスト通りのカフェワヤンのお隣にあります。シニア世代になると「少し贅沢をしてもいい」と思うことも。そんな気持ちに応えてくれたのが「Kamar Sutra Silk & Batik」でした。
ここで出会ったシルクのバティックは、まさに芸術品。価格は少し高めでしたが、滑らかな手触りと光沢感に一目惚れし購入してしまいました。春や秋の肌寒い時、ストールとして重宝しています。
Lucy’s Batik|カジュアルに楽しむ一枚
サッカー場の前にある「Lucy’s Batik」は、明るく入りやすい雰囲気で、手頃な価格帯の品が揃うお店。
私はここでバティック柄のストールを購入。旅行中は日差し除けとして肩に掛け、帰国後は秋口のちょっとした外出に愛用しています。
Pithecanthropus Ubud|バティックの小物が揃う
モンキーフォレスト通りの真ん中あたりにあるのが「Pithecanthropus Ubud」。普段使いから高級なものまでバティックがそろっています。
この店の特徴はバティックで作られたな様々な雑貨です。衣類は子どもから大人用まで。巾着袋やコースターもあります。
中でも気に入っていつも土産にするのは、バティックのぬいぐるみ。ゾウ、トッケイ、ブタと行くたび新製品が出ていて楽しみになっています。
昨年はサルのぬいぐるみを孫のお土産にし、喜んでもらえました。バティックですから、柄が色々で一度に柄違いをいくつも買ってしまいます。
シニアが選ぶバティックの魅力
バリの寺院セレモニーに参加するときはサロンが必要ですが、柔らかなバティックは腰に巻きやすく、旅の必需品としても役立ちます。
安価なバティックは洗濯を重ねると色褪せすることがありますが、上質なものはそのようなことはないので、ぜひ、お土産の一つに加えてください。
おわりに|旅の記憶を織り込んだ一枚を
バティックは、部屋に置くだけで旅の余韻を呼び覚まし、**「日常をやさしく彩る布」**となってくれます。
IKATBATIKで選んだ藍の布、Threads of Lifeで出会った文化を守る織物、Kamar Sutraで買った贅沢なシルク、Lucy’s Batikの布で作ったクッションカバー、Oka Kartini Studio 22kで手に取った芸術品のようなバティック、Pithecanthropusで孫に贈ったぬいぐるみ。どれも暮らしの中で息づき、夫婦の思い出を彩っています。
もしあなたがバリ島ウブドを訪れるなら、ぜひ「上質なバティック」を探してみてください。毎日の暮らしに溶け込み、布を見るたびに旅の記憶が蘇り、人生をより豊かにしてくれることでしょう。
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