はじめに~ウブドの中心に潜む隠れ家リゾート
バリ島の文化と緑に包まれた街・ウブド。その中心部に、私が「ここに住みたい」と心から思ったホテルがあります。
夫と二人で初めて訪れた日のことを今でもよく思い出します。賑やかな通りから少し入ると、石造りの門があり、その向こうには、モダンなロビーが現れました。通りの喧騒が遠ざかり、聞こえるのは鳥のさえずりと風が椰子の葉を揺らす音だけ。フワッとプルメリアの甘い香りも漂よってきて、日本での慌ただしい日々が遠ざかっていくようでした。
スタイリッシュなデザイン
ロビーに足を踏み入れると、視界いっぱいに深い緑が広がります。それはまるでバリ絵画のようで、しばらく見入ってしまいました。木材の温もりと石の重厚感、そしてバリ島の伝統建築のなかに都会的なエッセンスを感じさせるスタイリッシュなデザインが溶け合い、とても素敵でした。
ロビーのソファに身を沈めると、冷たいおしぼりとレモングラスの香り漂うウェルカムドリンクが運ばれ、見上げるとそこにはスタッフのフレンドリーな笑顔がありました。「この旅が癒しの旅になる」ことを約束するような温かな笑顔でした。
比較的リーズナブルな価格設定
高級ホテルの快適さを求めつつ、コストも抑えたい旅行者には、コマネカアットラササヤンはまさに理想的な選択肢です。
正直、最初に宿泊料金を見たときは「この立地と設備でこの価格?」と驚きましたが、実際に泊まってみると、その印象はさらに強くなります。
朝食は南国フルーツがたっぷり、プールやスパも追加料金なし。昼間は市場やカフェ巡りを楽しみ、少し暑くなったらプールサイドへ戻り、読書や昼寝をして過ごす――まさに“贅沢な日常”という言葉がぴったりでした。
魅力的なロケーション
立地の良さは想像以上です。ホテルから数分歩けば、地元の人も通う評判のワルン(食堂)やしゃれたレストラン、居心地のよいカフェ、高級バティック店、土産物屋が軒をならべています。
滞在中、私たちは散歩がてら市場へ行き、美味しそうな果物を買い、香り高いバリコーヒーをテイクアウトして帰りました。観光やショッピングを楽しんだ後、すぐにホテルに戻って休憩できるので、暑い日や雨の日にもとても便利です。
観光スポットへのアクセスはもちろん、日常のような体験が簡単にできるのが、このホテルの大きな魅力となっています。
コマネカならではの温かいおもてなし
滞在中、何より心に残ったのはスタッフ一人一人の温かさです。朝食のオーダーを取りに来たとき、「昨日はウブド市場で良いお買い物ができましたか?」と話しかけてくれ、前日に話題になったプランを覚えてくれていたことに、胸がちょっと熱くなりました。
他の大型ホテルではなかなか得られない、家族のような距離感。それこそがコマネカ・アット・ラササヤンの魅力だと思います。
モダンで機能的:居心地にこだわった客室
低価格だからこそこだわった、スタイリッシュなデザインや快適さを感じました。
部屋から敷地内の移動がスムース
コマネカ ラササヤンの客室は、大きく分けて「デラックスルーム」と「スイートルーム」の2種。規模としては他のコマネカほど広くありませんが、その分、どの部屋からもプールや中庭へのアクセスが近く、移動が非常にスムーズです。
街中からは隔絶された空間
街中でありながら、コマネカアットラササヤンの客室バルコニーからは熱帯の緑が視界いっぱいに広がります。どちらの部屋もウブド中心とは思えないほどの静けさで、夜は虫の声をBGMに本を読み、朝は鳥の声に微かに混じるバイクの音で目覚め、バリに来たことをと実感したものです。
私は滞在の前半を「デラックスルーム」で、後半を「スイートルーム」で過ごしました。
落ち着きあるインテリアのデラックスルーム
室内は木のぬくもりを感じる家具と、木の温もりを感じる家具と白を基調とした落ち着きあるインテリア。無駄を削ぎ落としたシンプルな内装ながら、細部にまでこだわりが感じられました。
ベッドはふかふかで、シーツの肌触りも極上で……パリッとしているけれど糊がききすぎていない……毎晩ぐっすり眠れました。
特に感動したのはバスルーム。バスタブにお湯を張り、窓を開けると外の緑と風を感じながら半露天風呂のような開放感を味わえました。旅の疲れが一気にどこかにいってしまいました。
シャワールームはガラス張りで、熱いお湯がしっかり出るのも嬉しいポイント。バリではお湯の温度や水圧が弱い宿も少なくないのですが、ラササヤンではその心配がありませんでした。
贅沢な空間が広がるスイートルーム
屋上階にあるスイートルームは約70㎡以上と広く、リビングスペースが別に設けられています。照明は柔らかく、夜は落ち着いた雰囲気を演出。昼間は大きな窓から光が差し込み、室内全体が明るく開放的に。
ホテルの屋上にあるペントハウス的なスイートルームで「ルーフトップ ガーデンヴィラ」とも呼ばれます。バスルームから直接ベランダに出られ、開放感抜群です。またバスルーム内とは別にある屋外シャワー。なかなか気持ちが良く、朝のシャワーはもっぱらこちらを使いました。
のびのびと過ごせるルーフテラス
このテラスからニュピの夜の星空が見たくて、デラックスルームから部屋移動をしたのです。残念ながらすっかり都会になってしまったウブドではニュピといえども降るような星空はなかったのですが、このテラスのおかげで、外出禁止となるニュピの日ものびのびと快適に過ごすことができました。
特に気に入ったのは、バスルームの石造りの洗面台と、リゾート感あふれるバスタブ。そのバスタブの周りにはキャンドルを置けるスペースもあり、まるでスパのような雰囲気でした。
珍しくトイレは独立の個室
バリのホテルには珍しく、トイレがバスルームとは別の個室になっています。途中から娘が合流したので、3人で過ごすにはとても助かりました。
プールで味わう贅沢な時間
ホテル中央にあるインフィニティプールは、まるで緑の海に浮かんでいるような感覚を与えてくれます。プールサイドにはふかふかのタオルが敷かれたデイベッドが並び、日差しを浴びながら本を読んだり、カクテルを楽しんだりできます。
滞在中、夕方にスコールが降ったのですが、雨上がりのプールから見上げた空には大きな虹がかかっていました。周りにいた宿泊客もスタッフもみんな笑顔になり、自然と会話が生まれたのが印象的です。コマネカでは、こうした偶然の共有が心を温めてくれます。
朝食の幸せ
コマネカアットラササヤンの朝食は、アラカルトで好きなメニューを選べるスタイル。テラス席でコーヒーをおかわりしながら、朝の光と風を感じながらゆったりとした時間を楽しめました。
バリ風ナシゴレンやミーゴレンはもちろん、パンケーキやエッグベネディクトなど洋食も充実しています。焼きたてのパン、自家製ジャムなど、こだわりの朝食です。
私のおすすめは、フレッシュトロピカルフルーツと自家製ヨーグルトのセット。パッションフルーツやマンゴーなど南国の果物がたっぷりで、朝の目覚めの贅沢な一皿でした。
バリのお菓子が美味しいアフタヌーンティー
また、午後のアフタヌーンティーのひとときは、プールサイドで小さなケーキやサモサ、そして大好きないく種類ものバリのお菓子をつまみながら、バリに来た幸せを噛み締める時間でした。毎日日替わりでいろいろいただけるのは嬉しくてなりませんでした。
スパで極上の癒しを
ラササヤンにはスパ施設もあり、私は60分のバリニーズマッサージを体験。
施術中は、オイルの香りと施術者のリズミカルな手の動きに心地よく包まれ、気づけば眠っていました。
施術後には生姜ティーとクッキーが提供され、ゆっくりと体を目覚めさせる時間まで用意されています。街スパではこうはいかないのでホテルスパならではです。
スパはこぢんまりしていますが、その分プライベート感があります。マッサージオイルの種類も多く、体調で選べるのが嬉しく、何度か通ってしまいました。
2025年時点の宿泊料金の目安
ラササヤンは、コマネカグループの中でも比較的リーズナブルな価格設定が魅力です。時期や予約サイトによって変動しますが、私がこれまで調べた目安は以下の通りです。
- デラックスルーム:1泊 約200~250USD(約31,000~39,000円)
- スイートルーム:1泊 約250~320USD(約39,000~50,000円)
デラックスルームは、ガーデンビュー、シティビュー、プールアクセスと3種類
ガーデンビュー:プールとガーデンが見渡せ、朝の光が差し込む時間は特に爽やか。
シティビュー:ウブド中心部の活気を感じられる景色で、夜は街の灯りを眺めながら過ごせます。
プールアクセスルーム:部屋を出るとすぐ目の前にプールがあり、まるで自分専用のリゾート空間のよう。眺望には少しかけますが、部屋からプールに直接アクセスできるのはなかなか魅力的です。
デラックスルーム中で料金が若干高めのようです。
シーズンによって大きく変動
ハイシーズン(7月~8月、年末年始)は料金が1~2割ほど高くなります。一方、雨季(1月~3月)は割引率が大きく、半額近くになることもありました。
まとめ~低価格なのに、満足度が高い
コマネカアットラササヤンは、ウブド中心という便利な立地と、リゾートならではの静けさを両立させた特別なホテルです。温かいおもてなし、上質な客室、緑に囲まれたプール、美味しい朝食、そして観光へのアクセスの良さ。どれもが高いレベルで揃っており、バリ島ウブドでの滞在をより豊かにしてくれます。
もしあなたがウブドで「便利さも静けさも手に入れたい」と思うなら、コマネカアットラササヤンは間違いなく最良の選択肢の一つになるでしょう。
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